
こんにちは!学生インターンのあびです。本日は富山県の県立高校で教員をしていらっしゃるN先生にインタビューさせていただいたときのようすをご紹介しようと思います。今後ますます多様化していく生徒一人ひとりの進路選択に向き合う高校の先生が思う”個別最適化と地方の高校”をテーマにお話していただきました。
生徒の進路選択に変化
お伺いした高校は県内でも有数の進学校であり、毎年2年生を対象に希望者を募って関東方面に大学見学をしているそうです。ただN先生はこうした行事にも近年は少し疑問を感じているそうです。
N先生 当校でもキャリア教育の一つとして毎年2年生を対象に希望者を募って関東方面での大学見学を実施しています。当校のOBOGにも協力していただいて大学でのようすをお話していただいたり、企業や研究所の方にはビジネスや研究の最前線で活躍されている方にご講演をしていただいています。ただ、最近思うことは一律で大学見学に行くこと自体がもはや”時代遅れ”なのではないかということです。
あび ”時代遅れ”とはどういうことでしょうか。
N先生 ここ10年で生徒の進路選択はかなり多様になってきています。10年前はいわゆる偏差値の高い大学を選ぶ生徒が多い傾向にありましたし、全体的にみてもそのような傾向が強くみられていました。ただここ数年は生徒自身の興味の幅も10年前と比べて変わってきています。そして何より10年前にはなかったような学問の分野が台頭してきています。生徒一人ひとりの興味や進路の選択が多様になっていくなかで、以前に増して教員として生徒一人ひとりに個別最適化した進路選択に対応していかなければいけないと感じています。
あび そうなんですね。たしかに大学の学問の分野も年々多様になってきています。高校生のスマートフォンの保有率も高いので生徒自らが興味のある分野に情報をとりにいくことが当たり前になってきているのもありますね。
N先生 そうですね。ですのでここ数年は生徒自らが興味のある分野について調べた資料を持って進路相談をしにくる子もいます。そしてそのような生徒は早いうちから自ら興味のある大学のオープンキャンパスに参加していますね。
今、学校に求められること
あび 10年前と変わってきた今の状況に対して学校はどうしていくべきなのでしょうか。
N先生 これは私個人の見解にはなりますが、今のような一律の大学見学ではなく、より生徒一人ひとりの興味・関心に個別最適化された進路選択に対応していくべきだと思います。特に地方の高校はなかなか最新の研究やビジネス等のトレンド情報は得られにくいですし、そのような情報を得ようと思っても身近にそのような話を聞いたり、相談したりする人がなかなかいないのが現状です。そういう意味では地方の高校だからこそIT等のツールをうまく活用して多様化する進路選択に対応していく必要があると思います。
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時代の変化とともに高校生の進路選択も多様化していますが、なかなか生徒一人ひとりの個別最適化に対応できていないのが現実。
今後ますます速い変化で将来の職業や学問領域が変化するなかで学校はどのようにそれらを実現していくのか。そして社会ができることは何であるのか。学校と社会の関係がますます大事になってきそうです。
【2020年3月取材】
取材協力:富山県立高校教員
インタビュアー:あび