教員志望学生のためのオンライン学校合同就職相談会

2020年。教育の情報化や新型コロナウイルスの影響によって学校教育の姿が見直され続けています。時代に合わせて先生の仕事も大きく変わります。
そんな「学校の先生」を目指す学生や現役の先生約40名が集まり、先生の仕事について学びます。

GUEST紹介(50音順)

▼コーニッグ菅家万里江

慶應義塾大学大学院文学研究科英文学専攻卒業。大学院時代に非常勤をしていた渋谷教育学園渋谷中学高等学校で、教師の面白さとやりがいを再認識し、内定の決まっていたコンサルティングファームを蹴って同校の専任教員に。英語科教員・国際部分掌・模擬国連部顧問を担当する。2014年には、文科省が選定するスーパーグローバルハイスクール(SGH)プロジェクトに、同校のコアメンバーとして参画。プロジェクト全体のデザインから、カリキュラムの企画・立案・運営を担当し、同校のSGHプロジェクトは、全国で先進的な取組をしているトップ4校の1つに選ばれる。また、ITの活用にも関心を持ち、先生のITリテラシー向上に寄与するため、Life is Tech!でのアドバイザリーも務めた。現在は、台湾のEdTechスタートアップにて、マーケティングを担当。

▼篠田 咲月

1994年富山県朝日町生まれ。県立魚津高等学校、東京学芸大学教育学部 初等教育教員養成課程 学校心理選修卒業後、地元富山で公立小学校教員として4年間勤務。子供がつくる学級、子供がつくる授業を目指して、様々な実践に挑戦。
もっと広く教育に関わりたい、外から学校現場を助けたいという思いから、2020年3月末退職。
現在は、NPO法人haleaハレア学童保育副代表として、学童の運営・保育を行う。

▼宮崎 可奈子

慶應義塾大学法学部政治学科卒業、大学院法学研究所修了。
2004年から私立女子中学校に社会科教員として勤務。
「学ぶことは社会に色彩をもたせる」をモットーに授業を軸に生徒との関係を築く。
現在ICT教育研究部にて休校期間中のオンライン学習をサポート。学びを止めないためのICT活用から、学びを深め追究するためのICT活用を目指す。

▼山下 揺介(埼玉県坂戸市立入西小学校)

1984年埼玉県坂戸市生まれ。 県立川越高校→東京学芸大学教育学部障害児教育学科 大学休学中にオーストラリアの特別支援学校においてJapanese dayを企画。 卒業後、埼玉県小学校教員として勤務。 特別活動、体育、キャリア教育を中心に活動。 現在は、1000人を超える学校の学年主任として、各教科単元に企業や地域などの人材が関わることで『公立学校と社会がつながる授業』を実践中。 教師同士がつながり自己実現できる場『みんなの職員室』発起人。

モデレーター:
株式会社LX DESIGN
代表取締役社長 金谷 智(かなたに さとし)

1990年、富山県高岡市生まれ、高岡高校、東京学芸大学 教育学部を卒業後、
アメリカ・サンフランシスコのスタートアップ企業、公立小学校学級担任、(株)リクルートAI領域を経て、(株)LXDESIGNを設立。
神戸市、神戸大学との産学官連携協定、経産省の起業家教育への協力など、今注目のEdTechスタートアップ起業家。
外部人材活用支援事業”複業先生”、AIソーシャル進路相談プラットフォーム”imAdokI”などを通じて、教育業界のアップデートを力強く牽引。

1通りではない教員への道

菅家さん:皆さんが先生になった過程を教えて下さい

篠田先生:大学生の時に教員免許を取得して富山県の教員採用試験を受けました。5月1日から願書が公布され、5月中に送付をします。その後1次試験、2次試験と試験を受けました。夏休みあたりから本格的に忙しくなりますね。

富山県の過去問を見て、「教育心理」の分野の問題はあまり出ないな、等の分析をした上で、勉強する範囲を絞っていました。参考書は大学の生協で購入した「オープンセサミシリーズ/東京アカデミー」を使っていました!

山下先生:東京学芸大学 障害児教育学科出身。
自分の地元である埼玉県で教員になる方法を探しました。その中でたまたま大学から埼玉県への推薦枠が1名分あることを見つけました。これに合格すると試験が免除になるんですよね(笑)なので受けたくて受けました。
これで1次試験をパスして試験は2次試験の内容は面接や実技などでした。面接強かったんですよね。そしたら受かりました。

宮崎先生:私はいろんな道を経て教員になりました。
もともとは大学院生の時、非常勤講師として働いていました。自分がずっと私立で育ってきたせいなのか、「公立の学校の採用試験を受けて教員になる」という考えは思い浮かびませんでした。
非常勤講師として2年間ほど働きました。そして”私学教員募集サイト”を使って学校を探しました。”私学適性検査”という検査を受けたりもしました。

私立の場合、非常勤講師を経験していたら採用されやすかったり
適性検査でランクが高かったら目に留まりやすかったりする場合があるのでもし目指す人は受けてみるといいと思います。
また教授や非常勤講師での勤務先の学校で関わる先生方といい関係であれば
そこから自分に必要な情報を集められたり信頼感を得ることができたりして得することもありますね!

金谷さん:僕は特殊な採用のされ方でしたね。
もともと民間の企業で働いていました。そしたらたまたま産休代理の先生が必要になったみたいで、校長先生から直接声をかけられました。その時の校長先生の第一声は「時間ある?」でした(笑)
校長先生が直々に声をかけているということは相当人が足りないということですよね。誰か先生がいないと子どもたちが卒業できない状況だったんです。
「チャンスがあればとりあえずトライ」やってみてダメだったらやめよう。そのつもりで始めました。

菅家さん:大学側で名簿を作っていてそこから適する人に連絡が来るということはたまに聞きますね。

金谷さん:そうですね。恐らく参加していた勉強会だったりそういった登録者の名簿から連絡が来たのだと思います。よくよく聞いてみると何かご縁があったみたいです。

菅家さん:ちなみに私の場合はイベントがきっかけです。出身は慶応義塾大学です。4年生の時、100人ほどが参加したマッチングイベントがあり、私も参加しました。そのイベントで色々な方とお話をしました。その中で「大学院に進んで非常勤講師をしようと考えている」と話したことがきっかけで、たまたまその場にいらっしゃった学校の副校長先生から後日連絡をいただきました。

いいインプレッションを持っておくことは大事なことですよね。
イベントや様々な機会には積極的に参加するべきです!

先生は激務⁉学校に12時間滞在の職場の真相とは。

篠田先生:6年生の担任のスケジュール
     7:10 家を出る
     7:40 教室到着
     8:05 朝の会
      ~授業~
     休み時間(宿題の丸付け)
      ~授業~
     給食と歯磨き、掃除
      ~授業~
     16:00 帰りの会終了
     職員連絡会議
     先生同士の相談
     19:30 この時間に帰宅を目指しています。
     本当はもっと早く帰りたいけれど…(笑)

山下先生:僕には働き方がライフステージに合わせて3期に分かれますね。
(第1期)教師になって1~5年目・独身
     最初は5年間で教師をやめ、企業への就職も考えていました。
     5年間で2倍働いて10年分の仕事をしようとしていたんです。
     朝6時台には学校に着いて、夜9時に学校を出る
     その後都内の勉強会に参加して家に帰るのは0時を回っていました。
     教材研究に没頭した時も帰宅時間は0時過ぎでした。
     1日が24時間ではなくてどうしたら36時間になるかと考えた結果、
     睡眠時間を減らしました。
(第2期)6~9年目・結婚
     7時50分には子どもたちが教室に来ます。
     それまでに教室に行って窓を開けたり準備をする必要があります。
     7時30分に学校に着き、19時30分くらいまで学校にいました。
(第3期)10~12年目・子育て
     今は10時間睡眠時間をとるときもあります(笑)
    朝の時間をゆっくりにしたり帰りを早くしたり
     妻が仕事に復帰したので子どものお迎えを相談したりしています。
私の場合は宿題を出さないので丸付けの仕事はありません。テストも終わった子から回収にしているので通常よりも早く仕事が終わります。放課後に子どもたちとドロケイしたりしています(笑)

宮崎先生:小学校の先生と大きく違います。1日中子どもたちと触れ合わないということも違いの一つですね。
7時30分~8時に学校に行き、8時40分から朝礼があります。自分の担当のクラスに行って授業をしますが休み時間も働かなければならないわけではありません。
しかし、放課後のクラブ活動があるため帰宅が遅くなります。
生徒の帰宅が18時頃でその後保護者連絡や授業準備を行い、週2日は帰宅時間が22時を過ぎることがあります。19時に帰りたいけど…。

菅家さん:小学校と中学・高校での大きな違いは部活動ですね。部活動の頻度や活動時間はどのくらいですか。

宮崎先生:水泳部の顧問です。温水プールがあるので1年中活動があります。私の学校では中学生は基本的に週末を家で家族と過ごすことを決まりとしています。そのため平時tの週3日16時から18時が部活動の時間です。

体育系と文化系でも変わりますね。顧問の先生の移動率もだいぶ変わります。大会のある部活だと特に朝練や昼練、先生が部活に割く時間は多くなってしまいますよね、、。
大会近くは毎日遅くまで生徒指導があって授業との両立が大変でした。

先生に長期休みはあるのか

篠田先生:小学校教員の特別休暇は5日間。それに加えて年次休暇(有給)が40日間ほど貯金することができます。実際に去年の私の夏休みは
研修や準備で学校→5連休→研修で学校→11連休→新学期準備や研修で学校→3連休 という休暇で19日間くらい休みました。朝も定時に来れば間に合うので、学校に8時に来て16時半に帰宅できる幸せを噛みしめていました。

山下先生:21連休を目指していました(笑)
担任を持つと代わりの先生に入ってもらいにくい状態です。出張の日にテストを当ててもその後の丸付け作業を行わなければなりません。
夏休みにも部活はないですが7月にはプール指導や補修があるため、8月に3週間ほどの休みをまとめてとります。
それぞれの工夫次第で夏休みは取れると思います。

宮崎先生:21連休なんて夢のまた夢ですね(笑)
去年、水泳部にはとても強い子がいてたくさんの大会に出場をしていました。
結局夏休みは3連休しかできませんでした。部活動で合宿の引率があると負担に感じる人もいると思います。顧問ではあるが子どもがいるから引率ができなかったりしてその代行をしたりもします。全体での休みは5日間くらいかもしれません。明るい時間に家に帰れていたことに喜びを感じていました(笑)

学校によって違うけれど夏期講習や合宿ではお給料の手当てが出やすいのが私立の特徴でもあります。それが雀の涙ほどの学校もあればうれしいくらい出る学校までたくさんです。

また、高校では夏休みに文化祭の準備を行う学校が多く、担当になってしまうとほとんど休みはないと思います。

Q.休みを長くとりすぎて他の先生から嫌な顔をされたりはしませんか?

山下先生:私はされませんね。男性職員の育児参加のための休暇を心よくとらせてくれました。それは学校としても推進されています。

宮崎先生:女性の優遇は多いかもしれません。子どもに熱が出た時や送り迎えなどの際は寛容というか当然という雰囲気があります。

篠田先生:人によると思います。私の職場はなかったです。休むことは権利なので堂々としていいと思います。

先生のやりがい・最高の瞬間とは!

篠田先生:子どもが大好き。毎日子どもと入れるだけで幸せだった!
子どもたちの成長や頑張りが一番嬉しかったです!
例えば自習の時間で、初めは友達としゃべってしかいなかった。それが二時間目になると先生が教室から出て戻ってきても静かに勉強をしている。
この成長1つ1つも嬉しいです。

宮崎先生:子どもが大好きで先生になりたいわけではなかったんです。
学びは一生できる楽しみだと思います。
世の中に出た時にいろんなことを知るということが最高の楽しみです。それを社会の授業を通して伝えていくことが一番楽しい。
社会が嫌いだった子が社会を面白いって言ってくれた時、
「私も先生と同じ学部に進みたい」と言った子が本当に後輩になった時、
そのきっかけが自分の公民の授業でした。
自分がやりたいことに生徒が答ええてくれる、生徒に伝わったその時が最高の瞬間です。

山下先生:子どもが大好きでそもそも教えている教科が面白い。
また「高校受かったよ!」と教えてくれた時や
先生っ子だった子どもが卒業して先生を全く必要としなくなった時。
最高ですね。
子供の成長はやっぱりうれしい
子どもとずーと一緒にいられる時間ってずっとは続かないんです。
あと小学校の先生って何でもなれると思うんです。美術家、スポーツ選手、音楽家、営業マン等。
「子どものために」という理由だけでいろんな人が手をつないでくれる
それが先生の素晴らしいことだと思う。

先生ってやることが多いじゃないですか。でもそれって逆に言うと
「できることが多い」ということなんです。
子どもといろんな人をつなぐことができるそれって先生のいいところですよね。

先生のたまごへ一言!

宮崎先生:とてもつらいことも多いし、楽しいことも多い。
目の前で人が成長していくことをこんなにたくさん見ることができる、それが教員の仕事の醍醐味だと思っています。
そして子どもの成長は頑張る力になる。
大学時代、私は大学にすごくまじめに通っていました。大学を2かい卒業できるくらいの単位をとったかな(笑)
そのおかげで引き出しをたくさん持っています。これはよかったなと思う。
知識が直接使えるわけじゃないけど、引き出し方を知っておくことはとってもいいことです。
先生という職業はとにかく忙しい。授業準備に時間をなかなかさけない。
だからこそ土台として大学生のうちに培っておくといいですよ!

篠田先生:人間的に魅力的な人になってほしいです。
子どもにとって担任の先生って身近な将来のモデルだと思います。大学生のうちに全く別の業種のアルバイトするとか海外行くとか。
子どもたちに外の経験を語れる人になってほしい。
人間の幅を広げておくことが大事です!

山下先生:自分でも葛藤しましたが人にどう思われるかじゃなくて、
自分がなにをやりたいか?これに尽きると思います。
自分自身も先生としてやろうとしていたことをたくさん批判されました。
でも子どもたちにこうしたい。と思い続けて行動してきました。そうしたら最近
やっと社会がおいついてきたって感じ(笑)
学校にはこれからたくさん行くことになるから、バイトやボランティアは学校以外の場所でやる!とか。
今ある時間を有意義に使っていました。
先生になったら、何とでもなるから今を楽しんでください。

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