【静岡県・下田東中学校】下田の再発見と発信をテーマにした複業先生特別授業を実施しました!

こんにちは!複業先生・学校コーディネーターの菅家です!

今回ご紹介するのは、静岡県・下田市立下田東中学校で行なった、複業先生特別授業です!同校中学1年生が「総合的な学習の時間」を使って取り組んでいる「下田の再発見と発信」プロジェクトに、お邪魔させていただきました。

今回の複業先生授業のテーマは「外から見た下田を学び、発信と関係人口の増やし方について学ぶ」。デザイナー兼カメラマンで、下田好きが高じて現地で起業をされた藤井瑛里奈(ふじい・えりな)氏と、官民連携で目覚ましい業績をあげ、年間300回以上の講演をこなす「日本一おかしな公務員」山田祟(やまだ・たかし)氏を講師に招き、講演会及びワークショップを行いました。詳しい内容は以下の通りです!

「複業先生」プロフィール

塩尻市役所 企画政策部地方創生推進課 
地方創生推進係(シティプロモーション担当) 山田崇 氏
1975年塩尻市生まれ。千葉大学工学部応用化学科卒業 空き家プロジェクトnanoda代表 信州大学 ローカルイノベーター養成コース/地域ブランド実践ゼミ 特別講師 内閣府 地域活性化伝道師 「地域に飛び出す公務員アウォード2013」大賞、グッドデザイン賞2016を受賞 『日本一おかしな公務員』(日本経済新聞出版社)著者
http://yamayamananoda.hatenablog.com/entry/2016/09/25/020849

株式会社しもズブ 代表取締役(カメラマン兼ウェブデザイナー) 藤井瑛里奈 氏
1996年、埼玉生まれ。
大学では教員とスポーツトレーナーを目指して勉強をするも、卒業後、デザイナー×カメラマンとしてフリーランスに。
2020年7月に静岡県下田市でのプロジェクトをきっかけに、埼玉から下田へ。最初は2週間のみの滞在予定だったが、下田の町が好きすぎて、10月、下田を好きになる人を増やす会社、株式会社しもズブを設立。

授業の背景と概要

今回の「複業先生」特別授業には、「ワーケーション」をテーマに探究活動を行なっている中学一年生30名が参加してくれました。すでにグループに分かれて、それぞれ興味のあるテーマでリサーチを行なっているとのこと。
最終的に2月に、ポスター・パンフレット・SNS・動画などで何らかの発信活動を行う予定なので、それに向けてどんな準備が必要か、どんなことに注意して発信活動や発信媒体を作成していけばいいのか、という問題意識を持って授業に参加してくれました。

まず最初の1時間は、藤井氏・山田氏によるパネルディスカッション。講師たちの経歴や、現在取り組んでいる活動、各々のビジョンやフィロソフィー(大事にしている価値観)などについて、パワーポイントなどを使いながら、わかりやすく紹介をしてくれました。
その後は、「下田のどんなところが魅力的か」「発信の際には、どんなことに気をつけたらいいか」「周囲の人を巻き込んでいくにはどうしたらいいか」「アクションを起こす際のファーストステップとは」「ユニークなアイディアの生み出し方」「自分たちの活動の転換点になったこと」など、様々なトピックでざっくばらんに討議。

自分の失敗談や体験を交えながらの講演に、生徒さんたちは熱心にメモをとっていました。

それでは、具体的にどんな内容でお話をしていただいたか次のセクションでご紹介していきたいと思います。

藤井さん:アウトサイダーだからこそ気づくことのできる「下田」の魅力を発信していこう!

今回の講演会の趣旨のひとつである「下田の再発見」。複業先生としてお呼びした藤井さんは、下田に魅入られて、ワーケーションで下田に来訪し、下田好きが高じて「株式会社しもズブ」を始められたという経歴の持ち主です。そんな藤井さんの「都会には無い魅力が下田にはある!」というメッセージに、生徒のみなさんはとても興味深そうに話に聞き入っていました。

地元の人からすれば、当たり前になっている「美味しい海産物」「綺麗な海」「あたたかい人間関係」。でもそんな「当たり前」を渇望している人も、実は世の中にはたくさん存在すること、そしてそうした人々にとっては、下田は「お金を払ってでも行きたい・住みたい場所」であることは下田東中学校のみなさんにとって、大きな気づきとなりました。「毎日満員電車に揺られて、コンクリートジャングルの中で生きている人にとっては、下田の海はまた違った風景に見える。私はそうした目線で下田を発信しています。」という意見は、非常に説得力がありました。

このように自分たちが「当たり前」と思っているものが、外側の人たちの目にはどう写るのかを考えること、そしてそういったを視点どのように表現し、発信していくのか工夫することの大切さを、藤井さんが自身のSNSの情報発信を例に、わかりやすく解説をしてくれました。

山田さん:「期限を決めて」「身近な人を対象に」「とにかく動いてみる」ことの重要性

もう一人の講師、山田さんからは、今まで様々なプロジェクトを成功させてきたご経験を伺いました。その中で、新しいアイディアを生み出すコツや、人を巻き込んでいく際のコツなどを聞かれた際に「期限を決めて」「身近な人を対象に」「とにかく動いてみる」ことが重要である、と強調されていたのが印象的でした。

何か新しくアクションを起こしていく時には、「何から始めたらいい?」「失敗したらどうしよう?」などと、プランニングの時点でつまずいてしまうことが多いもの。そんな悩みに対して、山田さんは「まずは3ヶ月やってみる、という姿勢で行こう」と力説されていました。3ヶ月ならモチベーションも高く保てるし、ある程度のフィードバックや経験値が溜まる。そして3ヶ月試行錯誤してみた結果から、次のアクションへのアイディアが生まれていく、というのは目から鱗のストーリーでした。

また、「知らない誰か」ではなく、身近な人を対象に「この人に対してこのアイディアはどう映るだろう?」と考えてみることも重要とお話されていました。プロジェクトや商品開発を行う時には、ターゲットとするペルソナ(人物像)を考えるのが大切ですが、それはできればお母さんや、顔見知りの店員さんなど、具体的にイメージできる物である方が有効という話は、プロフェッショナルなアドバイスでありながら、誰が聞いてもわかりやすく、生徒のみなさんは非常に興味深く聞き入っていました。

ワークショップその1:専門家の目線から、生徒のプロジェクトにフィードバック

講演会のあとは、藤井さんと山田さんの二つのグループに分かれて、ワークショップセッションを行いました。

山田さんのグループでは「日本一おかしな公務員」として数々のプロジェクトを仕掛ける山田さんが、プロの目線から生徒たちのアイディアやプロジェクトに対して、質疑応答形式でフィードバックをしてくれました。

「ポスターを作ろうと思っているんですけど、どうしたら面白くて人の目に止まるポスターができますか?」という質問に対して、山田さんは「そもそも『なぜ』ポスターにしようとしたの?何を達成したいの?」と、常に「WHY」を考えることの重要性についてアドバイス。そして、「ポスターにするなら、例えば『1日1時間しか貼られていないポスター』にするとか、『マスク型ポスター』なんかにしたら面白いよね!」と既成概念に囚われずに自由に発想する面白さをシェアしてくれました。

また、「『日本中で下田にしかない』という風に『日本一』という点を目指すと、自然と人の注目やメディアの注目は集まってくるよ」と、希少性や限定性などを狙ったマーケティング手法についても紹介してくれました。

ワークショップその2:プロカメラマンによる写真の撮り方講座

藤井さんのグループでは、実際に校外に出て写真の撮り方を学ぶワークショップを行いました。プロのカメラマンから撮影のコツを学べるとあって、みなさん興味津々!

まずは背景の選び方や、三分割法を使った構図の取り方など、写真の基本について概要を学び、そのあとは2人1組で実践を行いました。「海と空を横の三分割線に沿って分けてみるといいよ」「人は三分割線の上に配置してみよう」など、プロのアドバイスをもらいながら、生徒たちは楽しく活動に参加していました。

生徒さんたちからは「普段写真を撮る機会が少ないから、すごく勉強になった」「とても楽しかった」と言った声が聞かれました。藤井さんも「実際に体験したり、一緒に何かすることで生徒との親和性が生まれるのは楽しい。この活動を通して生徒の興味を刺激できたら」とおっしゃっていました。こうした専門的な知識を持つ人との触れ合い・学びから生まれる化学反応は、複業先生授業ならではの魅力だと感じました。

オンライン・オフラインを融合させた授業の魅力

このように、盛り沢山な内容で行われた「複業先生」授業ですが、今回の授業のもう一つの面白いところは、オンラインとオフラインを融合した授業であるという点です。

山田氏は塩尻市からZoomを通じて授業に参加し、下田によく来られている藤井さんは、直接会場で生徒と触れ合うという、新しいスタイルの授業でした。

オンラインには、場所や時間に束縛されずに講師を呼べるという利点がある一方、オフラインには、臨場感を持って講師の話を聞くことができ、直接交流ができるという特徴があります。今回は、講師のお二人に、それぞれオンラインとオフラインの両方で参加していただくことで、この両者のいいところをうまくブレンドすることができました。

先生の声

  • 当初は中学一年生にとっては難しい内容かと思っていましたが、「複業先生」が生徒たちのレベルや状況に合わせて話を合わせてくれたので、生徒もとても楽しそうにしていました!
  • 自分たちが滅多にできないことをやらせてもらえて、とても満足しています!

様々なメディアでも取り上げられました!

今回の「複業先生」の取り組みは、新聞やケーブルテレビなどで取り上げられました!

伊豆新聞の一面に掲載されました!

地元ケーブルテレビである小林テレビさんで、授業の様子がニュースになりました!

複業先生だから提供できる、第一線で活躍している人材のリアルな話

今後、より「リアルな体験」が求められる教育の現場において、様々な分野で活躍している「プロの話」を聞く機会は、ますます重要になっていくと考えられます。

プロだからこその深い知識や視点といったものが学習に加わることで、生徒たちの視野を広げ、彼らの興味関心を刺激し、生徒たちの学びをより一層深くすることができる—- 今回の授業を通じて、そうした実感を得ることができました。

ぜひ今後も、時間や場所の制限を超えて、「より良い学び」「より濃い体験」を生徒さんたちに届けていきたい、という思いを強くした次第でした!

また、今回の企画は、「複業先生」として登壇してくださった講師のお二人はもちろん、下田市立下田東中学校の佐々木学年主任をはじめとする先生方や、下田市役所産業振興課の樋口氏など、様々な方にご協力をいただいて開催されました。ご協力いただいた皆様に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。


複業先生は、時間や場所の制約を超えて、さまざまな社会人・大学生との出会いによって、一人でも多くの子どもたちに未来が広がる機会の提供を目指しています。
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