【複業先生インタビュー】私自身の言葉で伝えたい、働き方の多様な選択肢

「複業先生」には、普段は民間企業で働く人、起業した人、昔は先生を目指していた人などなど、様々なバックグラウンドを持った方々が先生として登録しています。実際に授業を行った複業先生の声をご紹介します。

今回お話を聞いたのは、小林千夏(こばやし・ちなつ)さん。大学卒業後、NTT東日本に入社。会社勤めのかたわら、社外でさまざまな“場づくり”の活動をされてきました。営業パーソンのトップを決めるSales No.1 Grand Prix(通称:S1グランプリ)の運営もその活動の一つ。

現在は本業にて採用・育成を担当されていますが、社外での経験が本業にもうまく循環しているのを感じているそうです。そんな小林さんに富山県立滑川高校で行った授業の感想と、今後の展望について伺いました。

▼滑川高校の授業レポートはコチラ

小林千夏さん

―「複業先生」を知ったきっかけについて教えてください

(小林さん)以前副業関連のイベントで、「複業先生」のサービスを展開するLX DESIGN代表の金谷さんと一緒に登壇したことがきっかけで知りました。

もともと、母校をはじめいくつかの中学校や高校、大学でキャリアについての授業をおこなってきた経験はありました。学生のみなさんにとって実際に働いている社会人との出会いが早ければ早いほど、働く本質的な意義について考えるチャンスは増えると思っています。

自分が学生だった頃は、テストの成績も悪く、秀でた特技もない自分が、将来何者かになれる自信なんてなく、必死にレールから外れないよう周りに適応しなくては…と、もがき悩む時期がありました。
変わったのは、大学時代。いきいきと仕事を楽しむ社会人に出会い話を聞くことで、自分自身を知り、信じてチャレンジしよう!という気持ちになりました。

そして今、自身の特性を活かしながら、自分らしい働き方で仕事をいきいきと楽しんでいる自分がいます。今度は自分が、同じように悩む学生へそのようなきっかけを提供したいという想いで活動してきました。そのため「複業先生」の目指す世界観もすんなりと受け入れられました。

社外で、様々な”場づくり”を行っている小林さん

―これまでにも学校でキャリアについてお話をされてきた小林さんにとって「複業先生」の特徴はどんなところにあると思いますか?

そもそも、社会人の話を聞く機会を作るために積極的に動いている学校はあまり多くないという印象があります。そんな中で「複業先生」というプラットフォームでは、自分とはご縁のなかった学校とつながることができるのが、良さのひとつだと思いました。

また、(教員ではない外部の人が)個人的の力で学校に赴いて授業を行うとなると、実現に至るまで結構な労力がかかります。私自身、過去に学校側との調整に奔走した経験があるので、そこを「複業先生」が担ってくれるのは大変ありがたいことだと感じました(※)。

(※)「複業先生」では、講師と学校側のマッチングや調整等は「コーディネーター」と呼ばれる橋渡し役が担い、講師の方が授業づくりに集中していただけるようにサポートしています。

当日の授業の様子

さらにいうと、今回の授業では事前に生徒さんの側にしっかりと“動機づけ”がなされていたのも、講師として安心して授業を行うことにつながりました。「今からの授業は進路選択やキャリアについて考える時間です」という風に土台が作られていたことで、生徒のみなさんと講師との間の温度差が縮まっている状態でお話でき、非常にやりやすかったです。

大切なのは、いかにいきいきと楽しめているかということ

―授業ではどのようなお話をされましたか

授業の進め方や話す内容については一任されていたので、自分がこれまでにいろいろな選択を行う中で大切にしてきたことについてお話させていただきました。過去に授業を行った経験から「今後世の中はこうなっていく」「市場はこのように変化する」といった話は、聞く側にとってピンときていない印象がありました。

それよりも、私自身が学生のときにどんなことを悩み考え、選択してきて、それが今どんな風につながったのか、という話の方がより実体のあるイメージを浮かべやすく、新たにチャレンジする勇気も与えられると思ったので。

―生徒のみなさんにとっても、「世の中の流れがこうなるから、こうした方がいい」という一般論ではなく、より具体的なお話を聞けるのは嬉しいことではないかと思いました。

そうですね。せっかく普段学校と関わりの薄い外部の人が話にいくのだから、実体験に基づいた話を私の言葉で話すことに意味があると思いました。今後生徒さんが何に興味を持って突き詰めていくかは人それぞれだと思いますが、私が今やっていることをいかに楽しめているか、そこに至るまでにどんな意思決定や悩みがあったのかを伝えられたかなと思うので、何かヒントにしてもらえる部分があれば嬉しいです。

パラレルキャリアを健全に広めるために自分の経験を発信していきたい

―“場づくり”を軸として様々な活動をされていますが、小林さんの今後の展望をお聞かせください。

私自身が、会社でパラレルキャリアをみとめてもらったことで、社外での様々な活動を活かして社内に貢献できるようになったという実感があるため、そんな動きをもっと増やしていきたいと思います。

―副業やパラレルキャリアはここ数年でどんどん注目度が高まっていますよね

そうですね。でも、まだまだ世の中全体では副業を「本業に集中できない」「人材流出につながる」という風に、リスクと捉えている会社は多いと思います。そうすると、従業員としても社外での経験やスキルを本業に還元する機会がなくなってしまい、非常にもったいないことだと思います。

まずは、私自身がパラレルキャリアを実践してよかったと思うことを発信して、単なる「お小遣い稼ぎ」ではなく、会社にとっても、個人にとってもメリットのあることなんだと考える人が増えればいいなと思っています。

―最後に、副業を始めてみたい、でも何から始めればいいのか分からない!という人にアドバイスをいただけますか

自分のやりたいことが特に定まっていない場合は、共感する活動の応援から始めてみることをおすすめします。そこから徐々に「こういう形でお手伝いしたい」という提案をしていくと、自分の活動として発展していくことがあります。

私もこれまでイベント等に参加した際に「私はこう感じました」「このパターンもありかもしれません」などのフィードバックをしていたのですが、そこで気が付いたら運営側にまわっていた、というようなことがよくありました。

個人的には「複業先生」も始めやすい活動の一つだと思います。単発的な関わり方が可能で、日時も決まっているので会社員をしている身としてはコミットがしやすいです。また、中高生や大学生を相手にお話しするためには目線を合わせた分かりやすい説明が必須ですし、自分のこれまでのキャリアを棚卸しするいい機会にもなるので、後輩にも積極的におすすめしていきたいです。

―フィードバックと提案によって主体的な参加者になることが第一歩目ということですね。これは副業にかぎらずどんな仕事でも大事にしたい姿勢の一つです…!小林さん、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

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複業先生は、時間や場所の制約を超えて、さまざまな社会人・大学生との出会いによって、一人でも多くの子どもたちに未来が広がる機会の提供を目指しています。

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