【複業先生インタビュー】特別なスキルや経歴がなくても伝えられることがある―会社員をしながらNPO理事を務める荒井昭則さん

複業先生には、普段は民間企業で働く人、起業した人、昔は先生を目指していた人などなど、様々なバックグラウンドを持った方々が登録しています。実際に授業を行った複業先生の声をご紹介します。

今回お話を聞いたのは、荒井昭則(あらい・あきのり)さん。大学卒業後、大手人材会社に入社。その後2018年には本業の傍らNPO法人を設立し、理事に就任されました。NPOでは主にアフリカで難民の支援やインフラ整備の支援を行っています。本業と、副業での国際協力という二足のわらじを履く荒井さんに、聖光学院中学校の英語の授業をご担当いただきましたので、その感想を聞いてみました。

―授業の率直な感想をお聞かせください。

(荒井さん)これまでにも、実際に教室に赴いて行うスタイルの授業は何度か経験したことがありましたが、オンラインのスタイルはこれが初めてだったのでやや緊張しました。でも、事前に行われた受け入れ校の担当であるRoy先生との打ち合わせでどんな具合に授業が進行していくかをリハーサルできたのは良かったです。

難しい面もあるけれど、“複業”先生にはありがたいリモートのスタイル

(荒井さん)正直なところ、教室にいる方が生徒さんの雰囲気を感じられるのでリモートよりもやりやすいという面はあるし、反応が見られた方が嬉しいなとも思います。今回に関しては、教室の盛り上がり具合がこちらであまり分からないときにRoy先生が橋渡し役として上手につないでくれました。話の内容に合わせて真剣な雰囲気や、ジョークでの活気を作ってくれたのがとてもやりやすかったです。

ただ、リモートにはいい点もあります。自分の場合、本業もあるのでもし遠方での授業となったら丸一日有休をとる必要が出てきます。これは企業に勤めている身としてはかなり負担になりますが、リモートであれば事前打ち合わせと当日の授業、どちらも移動時間なく、クイックに参加できる。とても柔軟性がありますし、すきま時間を使うことができる、ありがたい方法だなと思います。

“普通の自分“でも伝えられることがある

―授業を行ってみて、伝えられてよかったと思うことはありますか?

(荒井さん)「海外に行くといろんな経験や発見がある」というのが、自分が一番伝えたかったことでした。たとえ特別なスキルや輝かしい経歴がなくても、住み慣れた日本を出て海外に行けば、何かしら気が付くことや変わることがあります。これはこれまでの経験を通して強く感じてきたことですし、私自身のプロフィールがごく普通のものなので、そこについては親近感を持って話を聞いてもらえていたら嬉しいです。

共有している前提がない中で話をする力は本業にも活きてくる

―最近は副業を考えている人も増えていますが、荒井さんにとって今回の複業先生の授業の経験は今後どのような場面でいかせそうだと思いますか?

(荒井さん)普段から本業に加えてNPO法人の運営を行っているので、副業の価値については常々感じています。今回の複業先生での授業では、年代も異なり、自分のことを知らない人に向かって物事を説明するという訓練になりました。

普段の人間関係のなかでは無言のうちに共有されている前提のもとでコミュニケーションが成り立っていますが、このような前提が無い中では、いつもと違う筋肉を使って話す必要があります。相手がどこまでついてきているかを意識しながら話すというのは本業やいろんな場所で求められる力だと思うので、いい機会になりました。

(荒井さん)今回の聖光学院中学の授業で印象に残っているのが、自分が面白いと思っていなかったワードで生徒さんたちにウケた場面があったことです。あ、今の中学生にとってはその言葉が面白いんだ、と。これからは、自分の話を聞いてくれる相手の立場になってどんな言葉や内容に惹きつけられそうか、ということを考えてみたいと思いました。

フルタイムの本業の傍ら、NPOの理事として活動している荒井さん。自分自身のこれまでの経験に基づいて、授業やインタビューで自分自身の言葉でひとつひとつお話してくださいました。ありがとうございました!

▼荒井さんが理事を務めるNPO法人コンフロントワールドのHPはこちら

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