【メンバー紹介】先生という職業をもっと楽しめるような社会に。“授業コーデ ィネーター”コーニッグ菅家万里江さんインタビュー

LX DESIGNが展開する「複業先生」は、外部人材を活用したい学校と、自分の経験や専門性を学校現場へ還元したい社会人をマッチングさせるプラットフォームです。今回は、その「複業先生」を支えるメンバーを紹介したいと思います。

<菅家さんプロフィール>
コーニッグ菅家万里江さん
慶應義塾大学大学院文学研究科英文学専攻卒業。渋谷教育学園渋谷中学高等学
校で、専任教員を7年間務める(英語科教員・国際部分掌・模擬国連部顧問担
当)。2014年には、文科省が選定するスーパーグローバルハイスクール
(SGH)プロジェクトに、同校のコアメンバーとして参画。2020年よりLX
DESIGNの学校営業・授業コーディネーターとして活動。2児の母。

■菅家さんの担当領域について

-今日は、よろしくお願いします。早速ですが、まずは菅家さんの担当業務についてお聞かせください。
菅家さん(以下、菅家)メインは、授業コーディネーターを担当しています。サブの役割として学校営業や、教材開発なども行っています。

―幅広い担当業務ですね。メインの授業コーディネータ―とは、どのような仕事なんでしょうか。
(菅家)一言でいうと、外部人材である複業先生を受け入れる側の学校の先生と、授業を担当する複業先生の間の「橋渡し役」です。受け入れ校の先生との打ち合わせやスケジュール調整、場合によっては授業のファシリテーション等を担うこともあります。加えて、授業実施後のレポート記事作成なども行います。

―「複業先生」の行う授業の始まりから終わりまでをサポートするイメージですね。
(菅家)その通りです。外部人材の活用に慣れていない学校もありますし、授業を行う複業先生も、普段は全く別のお仕事をしていて、ほとんどの人は教育の現場に触れる機会が少ないので、できるだけお互いの不安を解消したり、双方の先生の願望を聞いて、それらが反映された授業になるように心がけています。

―次に、学校営業と教材開発について教えてください。
(菅家)学校営業は、学校とのリレーションづくりと言えます。「複業先生」や「LX DESIGN」という会社を知ってもらうために、色んな学校関係者とお話してきました。私の場合は、教員時代の繋がりで学校や先生をご紹介していただくことが多く、まずはお話を聞いてもらったり、逆に現場のお困りごとを聞いたりしています。そこから、もし何かお手伝いできそうなことが見つかれば提案させていただくこともあります。
 最近は、新型コロナの影響で急遽中止になってしまった学校イベントの代わりとして、複業先生を活用できないか?という引き合いの声もいただいていますね。

―学校営業には、教員の経験が必須なんでしょうか?
(菅家)必須ではないと思います。ただ私の印象では、学校の先生は、教育現場ならではの課題を共有できたときに、一気に心を開いてくださるように感じます。また、私自身、教員の経験のおかげで学校のカリキュラム決定のスケジュールや予算などの実情が分かるので、話がしやすいということはありましたね。
―なるほど。教員経験は必須ではないけれど、日頃から教育関連のトピックスに関心を寄せたり、先生たちの悩みがどんな点にあるのかを考えたりすることが大切なポイントのようですね。

(菅家)教材開発は、少し授業コーディネーターと似ているかもしれません。例えば現在、複数の企業さんから「複業先生を活用した企画やサービス展開をしたい」という相談をいただいていますが、始まりの段階では「CSRや社員育成の文脈で何かやりたい」というざっくりとしたご要望のことが多いです。
そこで、一方通行にならないような授業を一緒に設計したり、ワークシート等の授業で用いる教材作成、研修内容の提案などをおこなっていて、これを教材開発と呼んでいます。

―より授業の内容に踏み込んで伴走するのが教材開発ということですね。それぞれの学校や企業によって要望は異なるはずなので、毎回新しいチャレンジがありそうですね。

■ 教育という仕事を志すきっかけとなった原体験

―様々な役割で「複業先生」に携わる菅家さんが、どんな点に魅力を感じているか、お聞かせいただきたいです。
(菅家)長い話になりそうです(笑)
―お願いします!
(菅家)私は、母が教員、父がアントレプレナー(起業家)という家庭で育ち、幼いころからどちらの仕事にも興味を持っていました。小学生の頃は、母が家で採点しているのを手伝ったりもして。
 中学生になると、テスト前には早々に自分のノートをまとめあげ、友達に見せたり教えたりし、お礼をもらっていました。この、友達に学びの楽しさを伝えられたのが自分にとって大きな原体験でした。
 大学でも、当然教員を目指して過ごしていたのですが、いざ就職という段階になって、周りからは「教員になるなんてもったいない」「普通に企業に就職し、ビジネスの世界に出た方がいい」と言われ、いったんはコンサルティングファームに内定をいただきました。
 でも、その会社で内定者の集まりに参加しているうちに、周りの人と自分が幸せを感じるポイントが全然違うことに気が付いたんです。大学時代から高校で非常勤講師をやっていたので、やっぱり子ども達と関係を構築しながら仕事をするのが私の幸せだ!と思い直し、内定は辞退して、非常勤講師をしていた学校に正式に教員として就職することに決めました。
―菅家さんが、本当に教育現場が好きなんだなあと感じるエピソードです。

■ 様々な課題が見えてきた教員時代

(菅家)就職した学校では、早い段階から幅広い業務を任せてもらい、楽しく働いていました。小さい頃から興味のあった職業に就いて、子どもたちとの交流もでき、とても充実した時間でした。その一方で、色んな課題も見えてきました。

学校はどうしてもアナログな運用が多く、あまり効率化が進んでいません。学校業界は変わるべきだ!という意見は少なくありませんが、その多くが先生たちの自助努力を前提にしているものが多い、という点に違和感がありました。ただでさえ授業の準備や部活、学校イベントの計画など、業務に追われている先生たちに、さらに業務改善のための仕事を押し付けるのは無理があります。
 また、「子どもが好きなら、教育が好きなら、長時間働けるよね」という無言の圧力もいろんな場面で感じられました。実際、女性の先生は妊娠した人から辞めていきました。教育の現場では、子どもが好きな人が自分の子どもを持てないというパラドクスを抱えているんです。
 そんな状況を見て、先生たちのQOL(生活の質)改善に携わりたいと思うようになりました。そこで、夫の台湾転勤をきっかけに教育の現場を離れ、
LX DESIGNで外部から教育のDXに関わることに決めました。

 話を質問に戻すと、私は、「複業先生」が教育現場の課題を解決しようとしているビジネスであることに魅力を感じています。「複業先生」を活用して、学校外部の風を吹き込むことは、教室にいる生徒たちにとっても有益ですが、先生たちにとっても、新たな発見をもたらしています。また、常に明日の授業を考えなければならない先生たちが、「複業先生」を活用することで少し余裕ができれば、生徒との関係構築に時間を割くことができます。あるいは自分のために時間を使うことができます。
 私は、この「余裕」がクリエイティブに欠かせない要素だと思いますし、学校現場が変わっていくために、先生がクリエイティブであることが必須だと思っています。先生と言う職業をもっと楽しめるようになってもらいたい、「学校の先生になるなんてもったいない」ではなく、「先生!いいじゃん!」と言われる社会に近づけることができたら、と思いながら働いています。

現在台湾にいる菅家さんとは、zoomでのインタビューとなりましたが、菅家さんの教育への想いや、課題に真摯に向き合う姿勢が画面越しに伝わってきました。「教育について、もっとみんなで考えたい」と、生き生きした表情で話す菅家さんには、まだまだ聞いてみたいことがたくさんありました…!いつか他のメンバーとの対談なども実施して、レポートできればと妄想しております。
次回も、お楽しみに!

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